支給義務がある手当とない手当

手当

KABESHI

多くの企業では基本給以外に様々な手当を支給しています。
しかし手当には支給義務がある手当とない手当があることをご存知でしょうか。

支給義務がある手当

法律上、支給義務がある手当は以下の3種類しかありません。

  • 時間外手当
  • 深夜勤務手当
  • 休日勤務手当

使用者が、第三十三条又は前条第一項の規定により労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の二割五分以上五割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。ただし、当該延長して労働させた時間が一箇月について六十時間を超えた場合においては、その超えた時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の五割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

(中略)

4 使用者が、午後十時から午前五時まで(厚生労働大臣が必要であると認める場合においては、その定める地域又は期間については午後十一時から午前六時まで)の間において労働させた場合においては、その時間の労働については、通常の労働時間の賃金の計算額の二割五分以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。

労働基準法第37条

時間外手当

いわゆる”残業”と呼ばれる勤務に対して支給される手当で、残業代と言った方が理解しやすいかもしれません。
(厳密には残業と時間外勤務は異なりますが、ここでは割愛します)

原則として

  • 1日8時間
  • 1週40時間

のどちらかを超えた勤務に支給されることになります。

割増率は25%となっていますが、多くの企業ではそのまま最低ラインの25%としています。
また月60時間を超えた時間外労働については割増率50%で支給しなければいけません。

割増率50%について中小企業は現在その猶予をされています。
しかし2023年4月には猶予期間が終了し、大企業同様に50%以上の割増率が適用される見込みです。

深夜勤務手当

午後10時~翌午前5時に勤務した場合に支給される手当で、割増率は25%です。

時間外手当と異なる点は、この深夜勤務手当は「所定内か所定外かは問わない」という点です。
例えば宿泊業などで夜勤をする場合、その夜勤が所定労働時間内であっても深夜勤務に対しては深夜勤務手当が発生します。

休日勤務手当

休日勤務した場合に支給される手当で、割増率は35%です。

しかしここでいう休日は”法定休日”を指し、一般的に認識されている休日とは異なります。
法定休日とは労働基準法で定められた最低限与えなければならない休日です。

使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。
2 前項の規定は、四週間を通じ四日以上の休日を与える使用者については適用しない。

労働基準法第35条
  • 毎週1日、または4週間で4日

このどちらかが法律上与えなければならない休日義務です。

例えば土日が休日の企業で、就業規則にて日曜日が法定休日と定められていたとします。
この場合、土曜日は法定休日ではありませんから、この日に勤務しても割増率は35%ではなく25%(時間外勤務と同様の扱い)になります。

このような法定休日以外の休日を”法定外休日”と呼びます。

(※)いつが法定休日なのかは会社ごとに違いますので就業規則をご確認ください。
法定休日が定められていないケースもあります。

支給義務のない手当

前述した3種類の手当以外は法律上支給義務がありません。

よって、支給するかどうかは企業が自由に決めることができ、支給する場合のルールも同様です。

例えば多くの企業で支給されている通勤手当。
実は支給していない企業も存在します。

支給する場合でも月の上限金額や支給サイクルも企業ごとに様々です。

就業規則に定めたら支給義務が発生する

支給義務がないとは言いつつも、就業規則(または賃金規程)に定めたら支給義務が発生します。

就業規則は会社の就業ルールですから、そこに定めた以上はその支給ルールを会社は守る必要があります。
「就業規則には通勤手当支給が定められているけど、気が乗らないので支給しない!」という、規則に反した取り扱いはできません。

雇用契約書に支給を定めた場合も同様です。
お互いの決めごとにした以上は支給が義務となります。

なお、支給義務がある時間外・深夜・休日勤務手当については、法律上の割増率の定めはありますが、これを上回る率で支給することは従業員有利な措置であるため全く問題ありません。

まとめ

  • 法律上支給義務はあるのは時間外勤務手当、深夜勤務手当、休日勤務手当のみ
  • それ以外の手当は企業が自由に定めて良い