誰でも分かる、実はシンプルな年末調整の仕組み

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KABESHI

年末調整って何をやっているか分かりにくいですよね。
所得税を精算するのが年末調整ですが、その計算過程自体は意外とシンプルです。
税扶養の対象になるかどうか、そのための所得をどうやって出すのか。
そのあたりが年末調整の申告書をややこしくしている要因です。

基本ステップ

年末調整では所得税を計算しますが、その大枠の計算式自体は非常にシンプルです。

(年収‐各種控除)×税率

これが基本です。
難しくないでしょう?

ここでは給与を前提として書いていますが、事業所得等でも原則はほぼ同じです。

年収

1~12月に支給された課税給与の合計です。
非課税給与(一定額までの通勤手当等)は所得税計算上は年収に入りません。

もちろん手取りではなく額面支給額です。

各種控除

年収から差し引ける控除は大分類すると下記4つです。

給与所得控除

個人事業主で例えると「経費」にあたる部分です。

会社員は一定の例外を除いて経費を申告できませんので、この「給与所得控除」の額が年収に応じてあらかじめ決められています。

ですから、この給与所得控除については申告書は存在しません。

人的控除

人的控除は税扶養の人数、障害の有無や程度などに応じて決められる控除です。

扶養親族の有無に関係なく誰でも持っているのが基礎控除(38万円)

それ以外に配偶者や子が扶養親族であるならば区分・年齢に応じた控除額が増えていきます。

この人的控除を計算するのが「扶養控除等(異動)申告書」です。

皆さんが毎年記入しているこの扶養控除等(異動)申告書は「自分には扶養親族がいる(いない)、そしてその内容は…」を申告させるための用紙です。

扶養親族がいなくても提出しなければならないのは、「自分には扶養親族がいないけど基礎控除だけ適用を受ける」ということを申告させる目的があります。

社会保険料控除

自分が支払った社会保険料も全額控除対象となります。

給与から控除された健康保険、厚生年金保険、雇用保険などは年末調整で自動反映をするのが通常なので申告は不要です。

しかし、それ以外の社会保険料を支払った場合は自分で申告する必要があります。

例えば次のような社会保険料も自分が支払ったのであれば申告して控除額に反映されます。

  • 大学生の子の国民年金保険料
  • 就職前に加入していた国民健康保険料

その他控除

生命保険料、地震保険料、確定拠出年金の掛け金などです。

前記した社会保険料控除とともに、このその他控除を申告するのが「保険料控除申告書」です。

所得控除とは簡単にいうと「課税対象額をどんどん引き下げますよ」という事です。

税率

年収から各種控除額を引いて行った額が「課税所得」になり、その課税所得額に応じた税率を掛ければ所得税額が算出されます。
(税額算出後に住宅ローン控除等の反映がありますが割愛)

※所得税率は下記、国税庁HPをご参照ください。
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/2260.htm

なお「195万円を超え330万円以下」の場合は税率10%となっていますが、例えば課税所得200万円の場合、200万円全てが10%になるわけではありません。

  • 195万円までは5%
  • 195万円を超えた5万円に対してのみ10%

これが正しい税率の考え方です。

所得税計算過程
所得税計算過程図

いかがでしょうか?

流れ自体は非常にシンプルなのですが、各種申告書の書き方に苦戦させる方も多いようです。

ただ「各種申告書を出す意味」が分かっているだけでも年末調整書類を書く心的負担も少しは軽くなるかもしれませんね。

まとめ

  • 所得税計算の基本式は(年収‐各種控除)×税率
  • 控除=課税所得を引き下げること