年次有給休暇の申請に理由は不要

KABESHI

今でも年次有給休暇の申請に理由を書かせる企業があるようです。
しかし理由の記載は不要です。
その根拠を探っていきましょう。

年次有給休暇は正当な権利

労働基準法では年次有給休暇について次のように定めています。

使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。(以下省略)

労働基準法第37条

年次有給休暇は法律上、当然に発生する労働者の権利です。
会社が恩恵的に与えているものではありません。

法律上守られている権利の行使に理由は要るのでしょうか?

当然不要です。

年次有給休暇の取得理由は?
「法律上の権利だから」

これが本来あるべき最低限の取得理由です。
休暇で何をするのかは完全にプライベートな領域ですから、そこを会社に詮索される筋合いはありません。

企業にも権利はある

一方で、企業にも時季変更権という権利があります。

これは年次有給休暇を取得された場合に企業の正常な運営を妨げるような場合に、「別の日にしてくれ」と言える権利です。

労働者の権利だからと言って、無条件に全ての申請を認めなければならないわけではありません。

ここで休まれたら事業運営ができなくなるような状況であれば、会社は別の日に振り替えることが可能です。

ただ、ここで注意するポイントが2つあります。

  • 単に「忙しい・人手不足」は時季変更権の対象にならない
  • 取得日を変更できるだけであり、取得自体の拒否はできない

よって、時季変更権と言っても極めて限定的な状況でないと会社もその権利を行使できません。

取得理由を求める理屈が会社にあるとしたら…

とはいえ「法律上の権利だから」で押し通すと不具合も生じます。

「忙しいは時季変更の理由にならない」とは言っても、会社を困らせるのは本望ではないはずです。

会社としては、この日はどうしても休んで欲しくない。
でも本人の希望にはなるべく沿ってあげたい。

そんな時に参考として聞く程度であれば、会社が年次有給休暇の取得理由を求めても良いのではないでしょうか。

もちろん従業員側としては言う義務はありません。
しかし会社経営と円滑な会社生活を考えると、従業員側も事情を汲んで柔軟な対応が求められると思います。

まとめ

  • 年次有給休暇取得に理由は不要
  • 事業の正常運営を妨げる場合は取得日を変更する権利が会社にある
  • ただし業務を円滑にするという視点は両者に必要